パソコンを修理に出すときに怖いこと、それはデータが消えることです。この現象は修理をすると必ず起こるわけではなく、むしろその可能性は低いといっていいでしょう。しかし、いつデータが消えてしまうかはわかりません。また、第三者にパソコンを託すわけですから、情報漏えいの危険性もあります。
今回は、パソコン修理をするときに 「データが消える」ことと「情報が漏えいする」ことのふたつの危険性と対策方法に迫ります。
パソコン修理に出すとデータが消える……?
まずはデータが消えることの危険性について考えてみましょう。修理の最中にデータが消えることは少ないですが、万が一の不具合が起こる場合もありますし、パソコンが初期化されて返ってくる場合もあります。
どんなことが起こっても大丈夫なように、修理前・故障前にバックアップを取っておきましょう。
実はデータが「消える」ことは少ない
パソコン修理のプロに頼む場合、データが消去されること少ないといえます。
メーカーでの修理でも町の修理業者でも、破損した部分を特定することなく、部品をまるまる交換してしまうことが多いため、無理に細かく難しい修理をしてデータが消えるというリスクを回避しているのです。
どのような修理の場合データが消えてしまうのか
ただし、次のような修理をするときはデータが消える可能性が高いです。そういったリスクがあることは頭に入れておきましょう。また、消えてしまったデータはデータ復旧で取り戻せる可能性があります。
・ソフト自体に問題が発生している場合 →ソフトが消える可能性がある
・OS(WindowsやMacなど)に問題がある場合 →OSを再インストールするためデータが壊れる場合がある
・HDD(ハードディスク)・SSD(ソリッドステートドライブ)など記憶媒体に問題がある場合 →記憶媒体に保存されたデータが消える可能性がある
・データ自体に問題があった場合 →そのデータ自体が消去される
・修理中に災害が起こった、運搬中に衝撃を受けた場合 →記憶媒体やソフトが壊れ、データが消える
修理に出す前はデータのバックアップを必ず行う
修理を出す前にも気を付けることがあります。それは、バックアップを取ることです。修理中にデータが消える可能性は低いとはいえ、何が起こるかわかりません。また、パソコン修理業者は基本的にデータの保証はおこなっていませんので、万が一のことが起こっても自己責任となってしまいます。
故障や不具合が発覚してからまだパソコンが使える状態なら、すぐに大切な情報のバックアップを取りましょう。クラウド上にバックアップするのもひとつの方法ですし、USBメモリーなどの接続品を使う方法もあります。
しかし壊れて動かないようであれば、バックアップのしようがありません。このような突然の故障に備えて、日ごろから、月に1回、週に1回など周期を決めてバックアップを定期的におこなうようにしましょう。
パソコンデータが見られる危険性
パソコン修理では電源を入れて中身を見ることもありますので、個人情報が盗まれるのではないか、悪用されるのではないかと心配になる方もいらっしゃると思います。
ここでは、保存されている自分用のパスワードやファイルが見られる可能性について考えていきましょう。「メーカーならなんとなく信頼できるし大丈夫だろう」と思っていても、必ずしも安全とは言えません。情報漏えいを防ぐ方法もご紹介しますので、今から取り組んでみてください。
パソコンのデータが見られることがある
友達と映った写真、仕事の資料が保存されたファイル、インターネット上のサイトのログインパスワードなど、パソコンの中にはたくさんの個人情報が入っています。人には見られたくないと思っていても、パソコン修理を依頼するとなると他人である第三者に任せなければならないので、どうしても不安になりますよね。
基本的には、修理業者のスタッフがパソコンに保存されたファイルを閲覧することはありません。しかし、HDDやSSDなどにトラブルの原因があると判断した場合、ファイルを開けなければ問題を発見できないため、見られてしまうことがあります。
メーカー修理は本当に「安全」?
中身を閲覧される可能性があることから、パソコン修理の際は信頼できる業者を選ぶことがとても大切です。では、どんな業者を選びますか?
「パソコンを作ったメーカーならば安心して任せられる」と考える方も多いと思いますが、実は見えない落とし穴にはまってしまうことがあります。メーカーに依頼した修理では、下請け会社が作業していることがあるのです。依頼が立て込んでメーカーだけでは対応しきれない場合に、下請けの修理業者に委託することもあるようです。
「誰が直しているのかわからない」という不安は、メーカーでも修理業者でも同じです。だからこそ、信頼できる業者を選ぶということがとても大切になってきます。
個人情報の流出を防ぐために
個人情報が流出してプライバシーを侵害されるような事態を防ぐために、以下の2つを徹底しましょう。
・信頼できる業者を選ぶ
価格が安いなど目先のことだけを考えて業者を選ぶと、悪徳業者に引っかかり、データを盗まれてしまうトラブルに巻き込まれる危険性が高くなります。
・不必要なデータを消すこと
必要がないデータはこまめに消しましょう。過去の個人情報を盗まれる危険性がぐっと減ります。インターネット上の自動ログインやクレジット登録も不要なものは解除しておくことをおすすめします。
・修理前にバックアップを取り、データを消去する
メールの内容、画像、資料、ブックマークや設定などはバックアップして、修理前に消去します。そうすれば修理時に見られる心配がありません。インターネットの閲覧履歴も消去すると安心です。
まとめ
パソコン修理の際に気になる、「データが消える危険性」と「データが見られる危険性」について解説しました。まとめていきます。
・パソコン修理を依頼してデータが消えることは少ない
・しかし、ハードディスクなど原因部分や症状によってはデータが飛ぶこともある
・修理前は必ずバックアップをとる
・業者選びやバックアップ、データ消去に気を配り、個人情報を守る必要がある
とくに重要な点は以上のとおりです。パソコンを修理に出す際にはぜひ参考にしてみてください。