いつもよりノートパソコンのバッテリーの減りが早い、「バッテリーを交換してください」という警告文が表示される、といった経験をしたことはありませんか。こういった症状は、バッテリーが寿命を迎えているサインかもしれません。
不安になってバッテリーの交換をしようと思っても、交換の方法はわからないし、そもそも本当にバッテリーの交換が必要かどうかもわかりませんよね。この記事では、そんなノートパソコンのバッテリー交換についての疑問を解決する方法をご紹介していきます。
目次
ノートパソコンのバッテリーはいつ交換が必要になるの?
仕事やプライベートを問わず、普段の生活で使用する機会の多いノートパソコンですが、購入したときと比べて最近バッテリーの減りが早くなったと感じることはないでしょうか。ノートパソコンのバッテリーは消耗品なので、交換しなければならない時期があります。
また、ノートパソコンに使用されているバッテリーの種類によっては、交換の時期が異なることもあるのです。この項目では、ノートパソコンに使用されているバッテリーの種類と、交換が必要になる時期の目安についてご紹介します。
バッテリーの種類
ノートパソコンに使用されているバッテリーには、種類があることはご存知でしょうか。ノートパソコンのバッテリーは2種類存在しており、「リチウム(イオン)電池」と「ニッケル水素電池」があります。
それぞれのバッテリーに特徴があるので、自分が使用しているノートパソコンのバッテリーが、どの種類なのか確認しておくようにしましょう。
・リチウム(イオン)電池
リチウムイオン電池は、エネルギー密度が高いのでサイズを問わず電力が大きいことが特徴です。現在販売されているノートパソコンの主流電池にもなっています。充電量が20%ほどの状態から80%程度まで充電して使用することで、バッテリーの寿命を長持ちさせることができます。
・ニッケル水素電池
ニッケル水素電池は、当時のバッテリーに比べて小さい容量でも大きい電力を生み出せる電池として普及した電池です。現在は、リチウム(イオン)電池を採用したノートパソコンが主流となっているので、見かける機会は少なくなっています。
こちらは、充電量が0%になるまで使い切ってから80%程度まで充電して使用することで、バッテリーの寿命を長持ちさせることが可能です。
バッテリーの寿命は約2,3年
一般的にノートパソコンに使用されているバッテリーの寿命は、2年から3年と言われています。しかし、人によってノートパソコンを使用する頻度や環境は異なっています。例えば充電する機会が多いという場合は、1年近くでバッテリーの寿命を迎えてしまうことも考えられるでしょう。
一方でバッテリーを適切な方法で充電している場合は、4年から5年など、一般的な寿命よりも長く使えることもあります。なので、2,3年というのはあくまでも“目安”でしかないことを覚えておきましょう。
寿命が出たときの症状
ノートパソコンのバッテリーが寿命を迎えると、さまざまな症状が起こります。自分が使用しているノートパソコンが以下の症状を起こしていないか、確認しておきましょう。
・バッテリーの減りが早い
購入したときと比べて、明らかにバッテリーの減りが早いという症状が起こっている場合、バッテリーの劣化が進み寿命を迎えているおそれがあります。
・電源を抜くとバッテリーがすぐになくなる
バッテリーが寿命を迎えると、充電はできるのに電源を抜くとバッテリーがすぐになくなってしまいます。
・バッテリーの充電ができなくなる
バッテリーが寿命を迎えると、バッテリーの充電そのものができなくなってしまうこともあります。
・バッテリーのみで動作しなくなる
持ち運んで使うことが多いノートパソコンですが、バッテリーが寿命を迎えると、バッテリーのみで動作しなくなってしまうことがあります。
寿命を自分で確認する方法
ノートパソコンのバッテリーの寿命は、自分でも確認することが可能です。最初の確認方法としては、ノートパソコンになんらかの症状が起きている場合があります。バッテリーの減りが以前より早いなどの症状は、寿命のサインである可能性が高いでしょう。
また正確にバッテリーの寿命を確認したい場合は、フリーソフトを使ってみましょう。フリーソフトで「フル容量」と「設計容量」をノートパソコンが最大まで充電された状態で見て、フル容量が設計容量に届いていなければ寿命であるおそれがあります。
「バッテリーを交換してください」のエラーが出たときの対処法
バッテリーの寿命が近いノートパソコンを使っていると、「バッテリーを交換してください」という警告文が、通知領域に表示されることがあります。この警告文が表示された場合、いくつかの方法を試すことで、バッテリー交換をしなくても対処することが可能です。
1.電源コンセントなどの接続を確認
電源コンセントやACアダプタがノートパソコンに正しく接続されていないと、バッテリーの充電が正常におこなわれなくなってしまいます。そのため、電源コンセントやACアダプタが正しく接続されているか、断線などの故障が起きていないか確認してください。
2.放電をおこなう
ノートパソコンに無駄な電気が帯電していることで、正常な動作ができなくなっていることがあります。そのため、ノートパソコンに帯電している電気を放電させる必要があります。
ノートパソコンを完全にシャットダウンして、周辺機器を取り外した状態で90秒以上放置することで放電が可能です。
3.バッテリーのリフレッシュをおこなう
バッテリーは充電を繰り返すことで、劣化していきます。劣化の進行をおさえるのに、バッテリーのリフレッシュが必要となります。バッテリーのリフレッシュは、Windowsが提供しているバッテリー診断ツールからおこなうことが可能です。
4.それでも解決しない場合は……
上記の方法を試しても警告文が消えない場合は、バッテリーが寿命を迎えていることが考えられるでしょう。この場合、ノートパソコンのバッテリー交換が必要となります。
ノートパソコンのバッテリーを交換する方法と費用について
では、実際にノートパソコンのバッテリー交換をするには、どうすればよいのでしょうか。この項目では、ノートパソコンのバッテリーを交換する方法と費用について解説します。
バッテリーの交換方法
ほとんどのノートパソコンの底面にバッテリーパックがあり、スライドボタンをアンロックすることで簡単に外すことができます。バッテリーパックが取り外し可能である場合、新たに購入したバッテリーパックと簡単に交換することが可能です。
各メーカーによって公式サイトや家電量販店、有償で交換することもできるので、一度確認してみてはいかがでしょうか。
バッテリーの交換にかかる費用
次にノートパソコンのバッテリー交換に必要な費用についてご紹介します。
1.純正品と交換する場合
純製品のバッテリーと交換する場合、ノートパソコンの種類によって、7,000円から25,000円程度の費用がかかります。
比較的新しい種類のノートパソコンのバッテリーであれば、家電量販店などで購入することができますが、古い種類の場合は純正品を手に入れるのが難しいことも考えられます。
2.互換製品と交換する場合
互換製品のバッテリーと交換する場合、純正品と違って3,000円前後でバッテリーを購入することが可能です。しかし、互換製品だとメーカーの補償が受けられないものが多く、不良品であった場合などでも補償される可能性は低いというリスクがあります。
3.修理に出す場合
メーカーに依頼してノートパソコンのバッテリーを交換する場合、送料を含めて15,000円から30,000円程度の費用がかかります。しかし、バッテリー内蔵型のノートパソコンの場合、自分で交換することは難しいので、メーカーに依頼せざるを得ないことが多いでしょう
また自分でバッテリー交換が可能なノートパソコンの場合でも、メーカーではなく修理専門店などを利用することがおすすめです。修理専門店であれば、10,000円程度の費用でおさえられることも多く、自分で修理して失敗するおそれもありません。
ノートパソコンのバッテリーの寿命を延ばす5つの方法!
ノートパソコンのバッテリー交換方法だけではなく、バッテリーの寿命を延ばすにはどのような方法があるのでしょうか。この項目では、ノートパソコンのバッテリーの寿命を延ばす5つの方法をご紹介します。
フル充電で長期保存をしない
ノートパソコンのバッテリーは普通に使用していても劣化してしまうものですが、フル充電のまま長期保管すると、劣化が早くなってしまうのです。家電量販店などで購入したバッテリーが50%程度しか充電されていないのは、このことが理由となっています。
OSの機能でモニターの明るさを調整する
モニターの明るさが明るければ明るいほど、バッテリーの劣化は早くなってしまいます。基本的にモニターは暗めに設定しておき、バッテリーに余裕がある場合のみ明るくすることが大切です。
高温状態を避ける
現在主流となっているリチウム(イオン)電池は高温に弱く、ノートパソコンが高温のまま使用し続けてしまうと、寿命が一気に早まってしまいます。常にノートパソコンやバッテリーが高温になっていないか意識するようにしてください。
充電したら電源ケーブルを外す
バッテリーの充電を必要以上におこなってしまうことで、過充電となってしまいます。過充電状態のバッテリーはフル充電と同じく劣化が早まるのに加えて、高温状態にもなりやすいので注意しましょう。
小まめに充電しない
ノートパソコンのバッテリーは、充電と放電を繰り返すことで劣化していきます。そのため、小まめに充電をおこなってしまうと、その分だけバッテリーの劣化が早くなってしまうのです。
ノートパソコンはバッテリーを交換しなくても使用できるの?
ノートパソコンのバッテリー交換は、ノートパソコン本体のみで使用したいという場合は必須になります。しかし、そうではない場合はバッテリー交換をしなくても、ノートパソコンを使用することは可能です。
ACアダプタを繋げば使用可能
基本的にノートパソコンは、ACアダプタを繋いだ状態であれば、バッテリー交換をしなくても使い続けることができます。
しかし、持ち運んで使用する場合はACアダプタも一緒に持ち運ぶ必要があるため、ノートパソコンの特徴である持ち運び性が悪くなってしまうという点にはご注意ください。
ノートパソコンを5年以上使用している場合は買い替えもオススメ
一般的にノートパソコンに使用されているバッテリーの寿命は、2年から3年と言われています。そのため、ノートパソコンを5年以上使用しているのであれば、無理にバッテリー交換をおこなうよりも、新しくノートパソコンを買い替えるという手もおすすめです。
まとめ
一般的にノートパソコンのバッテリー交換は、購入して2年から3年経ったタイミングで必要になることが多いです。バッテリーが寿命を迎えていると、バッテリーの減りが早い、充電ができなくなるといった症状が起きてしまいます。
バッテリーに違和感があれば寿命を確認して、必要であればバッテリーの交換をおこないましょう。バッテリーの交換はバッテリーパックが取り外せるものであれば、自分でおこなうことができます。
しかし、内蔵型バッテリーのようにバッテリーの種類によっては購入する手間を考えると業者に依頼するのがよいでしょう。なぜなら業者であれば、経験と知識が豊富でメーカーに関係なくスムーズにバッテリー交換をおこなってくれるからです。
ノートパソコンのバッテリー交換を考えているという方は、一度業者に相談してみてはいかがでしょうか。